『D列車でいこう』



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少子高齢化が進行する日本社会は、現在存続に揺れ動く、
地方のローカル線に、とてもよく似てると言える。



長い間、適切な設備投資を行わず、
切り詰め続けて疲弊している鉄道の姿は、
日本社会・家族の姿そのものだ。



そんな現状に不満を持ちながらも、諦めている人は多い。



そんな中、廃止が決定しているローカル線存続のために、
中年2人とアラサ―女子1人の3人組が、
もう一度、青春のパワーをぶつけ、
人生の輝きを取り戻すストーリーを描き、
爽やかな風を社会に吹き込んだ作品が、
阿川大樹の、『D列車でいこう』だ。



東大在学中に、野田英樹らと劇団を立ち上げ、
電機メーカーを渡り歩き、半導体技術者となった後、
小説家デビューした、その波乱万丈の経歴が、
いかんなく発揮された小説と言える。



物語は…



55歳のツーリングが趣味のメガバンク支店長が、
気の向くまま訪れた広島県のローカル線で、
撮り鉄の男と出会うところがきっかけとなる。



生きがいのある仕事をしたいと思っていた主人公が、
部下の女性を巻き込みながら、
次第に鉄道再生に興味を持ち始める姿は、
多くのサラリーマンが共感する部分だろう。



肝心の鉄道会社社長は、町長も兼任していて、
主人公達のご奇特とも言える、
再建プランの申し出には否定的なのも、
ありがちな悪者の姿に描いておらず、



むしろ、地方の現状を赤裸々に語る、説得力のあるものだ。



バンドコンテストの開催始め、思いつくイベントが、
そうそうトントン拍子には進まないだろうと思ってしまうが、
ご都合主義と感じることなく、むしろ応援してしまいたくなる。



サクセスストーリーというよりは、
ファンタジーと言えるこの作品を、
是非、多くの人に読んでもらいたいと切に願う。







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